「妊娠してから足がむくむようになった」
「夕方になると靴がきつい…」
「このむくみ、放っておいて大丈夫?」
妊娠中は、特に妊娠後期になると足や手のむくみを感じる方が増えてきます。
妊娠前には気にならなかったのに、急に足がパンパンになると心配になりますよね。
今回は、助産師のすももが、妊娠中にむくみが起こる原因や、自宅でできる対処法、病院に相談したほうがよいむくみについて解説します。
妊娠中の「むくみ」とは?
むくみとは、体の組織に余分な水分がたまっている状態のことです。
医学的には「浮腫(ふしゅ)」と呼ばれます。
妊娠中は体の水分量や血液量が増えることに加え、お腹が大きくなることで下半身の血液が戻りにくくなります。
そのため、
- 足首
- ふくらはぎ
- 足の甲
- 手
- 指
などにむくみを感じることがあります。
特に夕方から夜にかけて足がむくみやすいという方は少なくありません。
なぜ妊娠中はむくみやすいの?
妊娠中のむくみには、さまざまな変化が関係しています。
① 血液量が増える
妊娠すると、赤ちゃんへ酸素や栄養を届けるために、体の中を流れる血液量が増えていきます。
その影響で、血管から組織へ水分が移動しやすくなり、むくみにつながることがあります。
② 大きくなった子宮が血管を圧迫する
妊娠後期になると子宮が大きくなります。
大きくなった子宮によって骨盤周辺の血管が圧迫されると、足から心臓へ戻る血液が戻りにくくなることがあります。
その結果、下半身に水分がたまりやすくなります。
③ 長時間同じ姿勢でいる
立ちっぱなしや座りっぱなしが続くと、足に血液や水分がたまりやすくなります。
仕事などで長時間立つ機会が多い方は、夕方になると足がパンパンになることもあります。
④ 妊娠によるホルモンの変化
妊娠中はホルモンの影響によって、体が水分を保持しやすい状態になります。
そのため、妊娠前よりもむくみを感じやすくなることがあります。
妊娠中のむくみ、どうしたら楽になる?
妊娠中のむくみを完全になくすことは難しいですが、日常生活の中でできる対策があります。
足を少し高くして休む
横になるときに、クッションや枕などを使って足を少し高くしてみましょう。
足を心臓より少し高い位置にすると、下半身にたまった血液や水分が戻りやすくなります。
ただし、無理に高くする必要はありません。
「楽だな」と感じる程度でOKです。
足首を動かす
座っているときなどに、足首をゆっくり動かしてみましょう。
例えば、
- つま先を前後に動かす
- 足首をゆっくり回す
- ふくらはぎを軽く伸ばす
などがおすすめです。
痛みがある場合は無理に行わないようにしましょう。
長時間同じ姿勢を避ける
立ちっぱなし、座りっぱなしが続かないよう、可能な範囲で姿勢を変えましょう。
デスクワークの場合は、ときどき立って歩いたり、足首を動かしたりするのもよいでしょう。
立ち仕事の場合は、休憩中に座って足を休ませることも大切です。
適度に体を動かす
体調がよい日は、無理のない範囲で歩いたり、妊娠中に適した軽い運動を行ったりするのもおすすめです。
「運動しなきゃ」と頑張りすぎる必要はありません。
体調や妊娠経過に合わせて、無理なく行いましょう。
水分をしっかりとる
「むくんでいるから、水分を減らしたほうがいいのでは?」
と思う方もいるかもしれません。
しかし、自己判断で水分を極端に減らすのはおすすめできません。
喉が渇いたときだけでなく、日中にこまめに水分をとることを意識しましょう。
ただし、医師から水分摂取について指示を受けている場合は、その指示に従ってください。
むくみが気になるときは塩分にも注意
塩分の多い食事を続けると、体内に水分をため込みやすくなることがあります。
インスタント食品や加工食品、味の濃い料理などが続いている場合は、少しずつ減らしてみましょう。
ただし、妊娠中だからといって極端な減塩をする必要はありません。
バランスのよい食事を基本にしましょう。
着圧ソックスは妊娠中に使ってもいい?
むくみ対策として、着圧ソックスを使う方もいます。
適切なサイズを選び、苦しさや痛みがない範囲で使用することが大切です。
ただし、
- 強く締め付けられて痛い
- 足先が冷たくなる
- しびれる
- 皮膚に強い跡がつく
などの場合は使用を中止しましょう。
また、むくみが強い場合や、片足だけが腫れている場合などは、自己判断で着圧ソックスを使用する前に医療機関へ相談してください。
妊娠中のむくみ、どこまでなら大丈夫?
妊娠中のむくみは珍しいものではありません。
例えば、
「朝はそれほど気にならないけれど、夕方になると両足がむくむ」
というように、時間帯によって変化するむくみは妊娠中によくみられます。
一方で、急にむくみが強くなった場合は注意が必要です。
妊娠高血圧症候群などでは、むくみ以外の症状がみられることがあります。
こんなときは病院に相談しましょう
次のような症状がある場合は、自己判断せず医療機関へ相談してください。
- 急にむくみが強くなった
- 顔や手などにも強いむくみが出てきた
- 頭痛が続く
- 目がチカチカする、見え方がおかしい
- みぞおち付近に痛みがある
- 血圧が高いと言われた
- 尿が少ないと感じる
- 片方の足だけが急に腫れた
- 片方の足に赤みや熱感、強い痛みがある
- 息苦しさや胸の痛みがある
特に、突然の強いむくみや、頭痛・視覚症状・上腹部痛などを伴う場合は、早めに相談することが大切です。
また、片足だけの腫れや痛みなどは血栓症などが隠れている可能性もあるため、放置しないようにしましょう。
助産師からひとこと
妊娠中のむくみは、妊娠による体の変化として起こることも多い症状です。
「夕方になると靴がきつい」
「靴下の跡がつく」
くらいであれば、まずは足を休ませたり、足首を動かしたりしながら様子をみることもできます。
ただし、妊娠中はむくみの変化をチェックすることも大切です。
「いつもと違うな」と感じたときには、次回の健診を待たずに病院へ相談して大丈夫です。
まとめ
妊娠中のむくみは、
- 血液量の増加
- ホルモンの変化
- 大きくなった子宮による血管への圧迫
- 長時間同じ姿勢でいること
など、さまざまな原因によって起こります。
むくみが気になるときは、
・足を少し高くして休む
・足首を動かす
・長時間同じ姿勢を避ける
・無理のない範囲で体を動かす
・水分をこまめにとる
・塩分の多い食事が続かないようにする
などを意識してみましょう。
そして、急にむくみが強くなった場合や、頭痛・視覚症状・強い痛みなどを伴う場合は、医療機関へ相談してください。
妊娠中の体の変化は、一人ひとり違います。
「これくらいで相談していいのかな?」と迷ったときこそ、遠慮せず相談してくださいね。


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