【助産師が解説】妊娠中の頻尿・夜間頻尿はなぜ起こる?原因と対策、受診の目安

妊娠・出産

「妊娠してからトイレが近くなった気がする」
「夜中に何度もトイレに起きて、なかなか眠れない……」

妊娠中は、以前よりトイレに行く回数が増えることがあります。

頻尿は妊娠中によくみられる変化の一つですが、原因は妊娠の時期によっても異なります。

この記事では、助産師の視点から、妊娠中に頻尿が起こりやすい理由や、夜間頻尿への対策、受診を考えたほうがよい症状について解説します。

妊娠中に頻尿になりやすいのはなぜ?

妊娠中の頻尿には、主に「ホルモンの変化」と「子宮の大きさ」が関係しています。

妊娠初期はホルモンの影響

妊娠すると、体内の血液量が増え、腎臓へ流れる血液量も増加します。

その結果、尿をつくる量が増え、妊娠初期から「トイレが近くなった」と感じることがあります。

また、妊娠初期は子宮がまだそれほど大きくなくても、ホルモンによる身体の変化によって頻尿が起こることがあります。

妊娠後期は大きくなった子宮が膀胱を圧迫

妊娠が進むと赤ちゃんの成長とともに子宮も大きくなります。

大きくなった子宮によって膀胱が圧迫されると、尿が十分にたまっていなくても尿意を感じやすくなります。

特に妊娠後期になると、

「少ししか尿が出ないのに、またトイレに行きたくなる」

ということもあります。

妊娠中の夜間頻尿で眠れないときは?

妊娠中は夜中にトイレへ起きる「夜間頻尿」に悩む人もいます。

特に妊娠後期は、お腹が大きくなって膀胱が圧迫されることに加え、日中に足などへたまった水分が、横になることで体の中心に戻り、尿として排出されやすくなることがあります。

何度も起きることで睡眠不足につながると、日中の疲労感が強くなることもあります。

完全に頻尿をなくすことは難しいため、できる範囲で睡眠をとりやすい環境を整えることが大切です。

頻尿が気になるときにできる対策

水分を極端に減らさない

「トイレが近いから、水分を減らそう」と考える人もいるかもしれません。

しかし、妊娠中だからといって自己判断で水分を極端に制限するのはおすすめできません。

特に暑い時期や汗をたくさんかくときは、脱水にも注意が必要です。

日中は適度に水分をとり、就寝直前に大量の水分を一気にとることは避けるなど、飲み方を工夫してみましょう。

カフェインのとりすぎにも注意

コーヒーや紅茶、エナジードリンクなどに含まれるカフェインには利尿作用があります。

妊娠中はカフェインの摂取量にも注意が必要なので、飲み物の種類や量を見直してみるのも一つの方法です。

寝る前にトイレへ行く

寝る直前に一度トイレへ行っておくと、夜中にトイレへ起きるまでの時間を少し延ばせる可能性があります。

ただし、夜間のトイレを減らしたいからといって、水分を我慢しすぎないようにしましょう。

足を少し高くして休む

夕方になると足がむくみやすい人は、日中に下半身へたまった水分が、夜に横になることで尿として排出されやすくなることがあります。

無理のない範囲で、休憩中に足を少し高くして休むことも一つの方法です。

ただし、急に強いむくみが出た場合などは、単なる妊娠中のむくみだと自己判断せず、医療機関へ相談しましょう。

「頻尿だけ」なら妊娠中によくある変化?

頻尿だけで、排尿時の痛みや発熱などの症状がない場合は、妊娠による身体の変化である可能性があります。

しかし、妊娠中は膀胱炎などの尿路感染症にも注意が必要です。

「いつもの頻尿だろう」と思っていても、ほかの症状がある場合は医療機関へ相談しましょう。

こんな症状があるときは受診を

頻尿に加えて、次のような症状がある場合は、妊娠による頻尿だけではない可能性があります。

  • 排尿するときに痛みがある
  • 尿が濁っている
  • 血尿がある
  • 発熱がある
  • 腰や背中に痛みがある
  • 排尿後もすっきりしない
  • 急に尿意が強くなった
  • 尿漏れが急に増えた
  • 強い腹痛など、ほかの症状を伴っている

このような場合は、産婦人科などの医療機関へ相談しましょう。

特に発熱や背中・腰の痛みなどを伴う場合は、早めの受診が大切です。

頻尿と尿漏れは別のもの?

妊娠中は「トイレが近い」という頻尿だけでなく、尿漏れに悩む人もいます。

くしゃみや咳、立ち上がったときなどに尿が少し漏れる場合は、妊娠による骨盤底への負担などが関係していることがあります。

頻尿と尿漏れは同時に起こることもありますが、同じものではありません。

尿漏れが気になる場合も、一人で悩まず産婦人科や助産師に相談してみましょう。

妊娠中の頻尿はいつまで続く?

妊娠中の頻尿がいつまで続くかには個人差があります。

妊娠初期に頻尿を感じる人もいれば、妊娠後期になってから症状が強くなる人もいます。

出産後は、妊娠中に大きくなっていた子宮や膀胱への圧迫が徐々に変化していくため、頻尿の感じ方も変わっていきます。

ただし、産後も排尿しにくい、尿が出にくい、強い痛みがあるなどの場合は、医療機関へ相談しましょう。

まとめ

妊娠中の頻尿は、ホルモンによる身体の変化や、大きくなった子宮による膀胱への圧迫などによって起こります。

特に妊娠後期は、夜中に何度もトイレへ行きたくなり、睡眠不足につながることもあります。

頻尿そのものは妊娠中によくある変化ですが、排尿時の痛みや発熱、血尿、腰や背中の痛みなどを伴う場合は、尿路感染症などの可能性もあるため、医療機関へ相談しましょう。

「妊娠中だから仕方ない」と我慢しすぎず、気になる症状があれば健診時などに助産師や医師へ相談してくださいね。

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