「陣痛が始まったと思ったのに、だんだん遠のいてきた」
「陣痛が弱いと、お産は進まないの?」
「このまま陣痛がなくなったらどうしよう……」
出産が近づくと、このような不安を感じる方もいるのではないでしょうか。
陣痛は、お産を進めるために重要な役割を持っています。
一方で、陣痛の間隔や強さは、お産の経過によって変化します。
今回は、陣痛が弱くなったり遠のいたりする理由や、お産の進み方との関係について、助産師がわかりやすく解説します。
そもそも陣痛とは?
陣痛とは、赤ちゃんを子宮から外へ送り出すために起こる、子宮の規則的な収縮です。
お産が進むにつれて、一般的には陣痛の間隔が短くなり、持続時間が長くなったり、痛みを強く感じるようになったりします。
陣痛による子宮の収縮は、子宮口を開かせたり、赤ちゃんを産道へ下降させたりするために重要です。
ただし、すべてのお産が同じように進むわけではありません。
陣痛が弱くなったり遠のいたりすることはある?
あります。
特に分娩の初期には、陣痛が規則的になったり不規則になったりすることがあります。
「さっきまで痛かったのに、少し間隔が空いてきた」と感じることもあります。
陣痛が一時的に弱くなったからといって、必ずしもお産に異常が起きているとは限りません。
お産の進行は、陣痛だけではなく、子宮口の開大や赤ちゃんの下降などを合わせて判断します。
陣痛が遠のくのはなぜ?
陣痛が弱くなったり間隔が空いたりする理由は、ひとつではありません。
①お産の初期である
分娩の初期には、陣痛がまだ十分に規則的になっていないことがあります。
子宮口が開いていくまで時間がかかることもあり、陣痛の間隔にも変化がみられます。
特に初産婦さんでは、陣痛が始まってからお産が進むまで時間がかかる場合があります。
②疲れや緊張がある
お産では、身体的な疲労だけでなく、緊張や不安を感じることもあります。
陣痛が長時間続くと、体力を消耗してしまうこともあります。
そのため、休める状況であれば、陣痛と陣痛の合間に身体を休めることも大切です。
③膀胱がいっぱいになっている
膀胱が尿でいっぱいになると、赤ちゃんの下降を妨げることがあります。
分娩中は、状態に応じて適度に排尿することも大切です。
④赤ちゃんの位置や下降の状態
お産の進行には、赤ちゃんが骨盤内をどのように下降しているかも関係します。
陣痛があっても、赤ちゃんの下降や回旋が思うように進まない場合には、分娩の進行に時間がかかることがあります。
陣痛が遠のいたとき、休むって具体的にどうする?
分娩初期などで休息がとれる状況なら、陣痛の合間にできるだけ身体の力を抜いて休むことを意識してみましょう。
たとえば、
- 陣痛が終わったら、肩や手の力を抜いて横になる
- 横向きなど、楽に感じる姿勢で休む
- 夜間で眠れそうなら、陣痛の合間に少しでも睡眠をとる
- 家族や付き添いの人に身の回りのことを任せて、身体を休める
- 痛みが強くない時間は、深呼吸をしてリラックスする
などがあります。
ただし、「休めば陣痛が強くなる」「寝ればお産が進む」という意味ではありません。
長いお産に備えて体力を温存するという意味でも、休めるときに休むことが大切です。
また、分娩が進んでいる場合や医療的な管理が必要な場合は、姿勢や活動について医療者から指示が出ることがあります。
その場合は、施設の指示を優先してください。
水分補給はどうすればいい?
陣痛が続くと汗をかいたり、呼吸が増えたりして、口が乾きやすくなることがあります。
飲水が可能な状況であれば、一度に大量に飲むより、少量ずつこまめに水分をとる方法が飲みやすいでしょう。
たとえば、
- 口が乾いたときに少しずつ飲む
- 陣痛が終わったタイミングで数口飲む
- 自分で飲みにくければ、付き添いの人に飲み物を持ってもらう
- 飲みやすい温度や種類の飲み物を選ぶ
などがあります。
ただし、分娩中の飲食については、分娩の進み具合や母体・胎児の状態、麻酔の有無、緊急処置の可能性などによって対応が異なります。
「どのくらい飲んでいい?」と迷った場合は、出産する施設の助産師や医師に確認しましょう。
なお、水分補給をしたからといって、陣痛が必ず強くなったり、お産が必ず早く進んだりするわけではありません。
脱水を避けながら、体力を保つことを目的として考えるとよいでしょう。
「陣痛が弱い=お産が進まない」ではない
ここはとても大切なポイントです。
陣痛の強さだけを見て、「お産が進んでいない」と判断することはできません。
助産師や医師は、
- 陣痛の間隔
- 陣痛の持続時間
- 子宮口の開大
- 子宮頸管の変化
- 赤ちゃんの下降や回旋
- 母体の状態
- 赤ちゃんの心拍など胎児の状態
などを総合的に確認しています。
そのため、「痛みがそこまで強くないから、全然進んでいない」とは限りません。
逆に、陣痛が強くても、子宮口の開大や赤ちゃんの下降が思うように進んでいない場合もあります。
陣痛が遠のいたらどうすればいい?
まずは、焦らないことが大切です。
分娩の時期や現在の状態によって対応は異なりますが、助産師や医師から指示を受けている場合は、その指示に従いましょう。
休息がとれる状況なら、横向きなど楽な姿勢で身体を休め、陣痛の合間に力を抜いて過ごしましょう。
飲水が可能な状況であれば、口の渇きに合わせて少量ずつこまめに水分をとることもできます。
また、膀胱がいっぱいになっている場合は、可能な範囲で排尿しましょう。
ただし、破水している場合や出血がある場合、胎動が明らかに少ない場合、強い持続的な腹痛がある場合などは、自己判断せず、医療機関へ連絡して確認しましょう。
病院ではどんなことを確認する?
陣痛が弱くなった、間隔が空いてきたなどの訴えがある場合、医療者はその時点での母体と赤ちゃんの状態を確認します。
必要に応じて、
- 陣痛の状態
- 子宮口の開大や子宮頸管の状態
- 赤ちゃんの下降・回旋
- 赤ちゃんの心拍
- 母体の血圧や脈拍など
- 破水や出血の有無
などを確認します。
その結果から、今のお産がどのように進んでいるのかを判断します。
陣痛が弱いときに「早く産まなきゃ」と焦らなくて大丈夫
お産が思ったように進まないと、
「私の陣痛が弱いからなのかな」
「赤ちゃんが苦しくなっていないかな」
と不安になることもあると思います。
しかし、お産の進み方には大きな個人差があります。
陣痛の強さや間隔だけでは、お産が順調かどうかを判断することはできません。
助産師や医師は、陣痛だけではなく、お母さんと赤ちゃんの状態を確認しながらお産の進行を見ています。
不安なことがあれば、「陣痛が弱くなった気がする」「さっきより間隔が空いている」など、遠慮せずに伝えてくださいね。
まとめ
陣痛は、お産を進めるために重要な役割を持っています。
しかし、特に分娩の初期には、陣痛が弱くなったり間隔が空いたりすることがあります。
「陣痛が弱い=お産が進んでいない」とは限らず、子宮口の開大や赤ちゃんの下降・回旋、母体と赤ちゃんの状態などを総合的に見て判断します。
休息がとれるときには、陣痛の合間に横になったり、眠れそうなら睡眠をとったりして、体力を温存しましょう。
飲水が可能な場合は、一度に大量に飲むのではなく、少量ずつこまめに水分をとるのがおすすめです。
ただし、休息や水分補給によって必ず陣痛が強くなったり、お産が早く進んだりするわけではありません。
陣痛が遠のいたと感じても、まずは焦らず、医療者に相談しましょう。
お産は一人ひとり進み方が違います。
自分だけが遅れているように感じても、必要以上に心配しすぎず、その時点でのお母さんと赤ちゃんの状態を大切にしてくださいね。
※この記事は一般的な分娩経過について解説したものです。実際の対応は妊婦さんと赤ちゃんの状態によって異なります。破水・出血・胎動の減少・強い持続的な腹痛など、気になる症状がある場合は自己判断せず、出産予定の医療機関へ相談してください。


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