「夜中にふくらはぎが突然つって痛い…」
「妊娠してから、足がつることが増えた」
妊娠中、このような経験をする方は少なくありません。
特に妊娠後期になると、寝ているときにふくらはぎが突然けいれんする「こむら返り」に悩む方が増えてきます。
今回は、助産師のすももが、妊娠中に足がつりやすくなる原因や、つってしまったときの対処法、予防のポイントについて解説します。
妊娠中の「こむら返り」とは?
こむら返りとは、ふくらはぎなどの筋肉が突然強く収縮し、痛みを伴う状態のことです。
特に、
- 寝ているとき
- 明け方
- 長時間立っていたあと
- 疲れているとき
などに起こりやすい傾向があります。
突然「ギューッ」と筋肉が縮むため、驚いてしまう方も多いでしょう。
多くの場合は数秒~数分程度で落ち着きますが、つった後もしばらく筋肉に痛みや違和感が残ることがあります。
なぜ妊娠中は足がつりやすいの?
妊娠中にこむら返りが起こりやすくなる理由は、1つだけではありません。
① お腹が大きくなり、足への負担が増える
妊娠が進むにつれてお腹が大きくなり、体重も増えていきます。
そのため、ふくらはぎや足の筋肉にかかる負担が大きくなります。
普段より足が疲れやすくなることも、こむら返りにつながる一因です。
② 血流の変化
妊娠中は、子宮が大きくなることで骨盤周辺の血管が圧迫され、下半身の血液が戻りにくくなることがあります。
特に妊娠後期は、足のむくみを感じる方も増えてきます。
血流の変化や筋肉への負担など、さまざまな要因が重なって足がつりやすくなると考えられています。
③ 筋肉の疲労
妊娠中は体重や姿勢の変化によって、普段とは違う筋肉の使い方をするようになります。
仕事や家事などで長時間立っていた日や、いつもよりたくさん歩いた日などは、足の筋肉が疲れていることもあります。
④ 水分不足
汗をかいたり、食事や水分摂取が少なかったりすると、体内の水分バランスが変化します。
妊娠中はこまめに水分をとることを意識しましょう。
ただし、妊娠中に水分制限を指示されている場合は、自己判断で水分量を増やさず、医師の指示に従ってください。
⑤ ミネラルバランスなど、さまざまな要因
カルシウムやマグネシウムなどのミネラルバランスも、筋肉の収縮に関係しています。
ただし、「妊娠中に足がつる=特定の栄養素が不足している」とは限りません。
自己判断でサプリメントを追加するのではなく、まずはバランスのよい食事を基本にしましょう。
足がつってしまったらどうする?
突然足がつると、どうしていいのか分からなくなりますよね。
そんなときは、痛みが落ち着く範囲で、ゆっくり筋肉を伸ばしてみましょう。
ふくらはぎがつった場合
膝を伸ばした状態で、つま先を自分の顔の方向へゆっくり向けるようにします。
いわゆる「アキレス腱を伸ばすような動き」です。
無理に強く引っ張るのではなく、ゆっくり伸ばすことがポイントです。
痛みが強い場合は、無理に動かそうとせず、落ち着くまで待ちましょう。
つった部分が落ち着いたら、やさしくさすったり、軽くストレッチしたりするのもよいでしょう。
妊娠中のこむら返りを予防するには?
こむら返りを完全に防ぐことは難しいですが、日頃からできることがあります。
水分をこまめにとる
一度にたくさん飲むのではなく、日中にこまめに水分をとるようにしましょう。
特に汗をかいた日や、暑い季節は水分不足にならないよう注意しましょう。
足首を動かす
座っているときや寝る前などに、足首をゆっくり動かしてみましょう。
足首を回したり、つま先を前後に動かしたりするだけでも、簡単な運動になります。
痛みがある場合は無理に行わないようにしてください。
軽くストレッチする
寝る前などに、ふくらはぎをやさしく伸ばすのもおすすめです。
「気持ちいい」と感じる程度で十分です。
無理に反動をつけたり、強く伸ばしたりする必要はありません。
長時間同じ姿勢を避ける
立ちっぱなしや座りっぱなしが続かないように、可能な範囲で姿勢を変えたり、少し歩いたりしましょう。
仕事などで長時間立つ必要がある場合は、休憩できるタイミングで足を休ませることも大切です。
足を冷やしすぎない
冷えが気になる場合は、靴下や入浴などで足元を温めるのもよいでしょう。
ただし、妊娠中はのぼせやすいこともあるため、熱すぎるお湯や長時間の入浴には注意してください。
こんなときは病院に相談して
妊娠中のこむら返りは珍しいものではありませんが、「いつもの足のつり」と思い込まないことも大切です。
特に、
- 片方の足だけが強く腫れている
- 足が赤くなっている、熱を持っている
- 強い痛みが続いている
- 急にむくみが強くなった
- 息苦しさや胸の痛みがある
などの場合は、単なるこむら返りではない可能性があります。
妊娠中は血栓症などにも注意が必要なため、気になる症状がある場合は医療機関へ相談しましょう。
また、こむら返りが頻繁に起こって睡眠に支障が出ている場合も、健診時に相談してみてください。
まとめ
妊娠中のこむら返りは、特に妊娠後期によくみられるマイナートラブルの一つです。
妊娠による体重や姿勢の変化、足への負担、血流の変化、水分不足など、さまざまな要因が関係しています。
予防として、
- 水分をこまめにとる
- 足首をゆっくり動かす
- 寝る前に軽くストレッチする
- 長時間同じ姿勢を避ける
- 足を冷やしすぎない
などを意識してみましょう。
そして、実際に足がつってしまったときは、無理に動かさず、痛みが落ち着く範囲でゆっくり筋肉を伸ばすことがポイントです。
妊娠中は「これくらい大丈夫かな?」と迷うことも多いと思います。
いつもと違う腫れや強い痛みなどがある場合は、自己判断せず医療機関に相談してくださいね。
妊娠中の体の変化を知って、少しでも快適に過ごせるようにしていきましょう。


コメント