【助産師が解説】妊娠中の胸やけ・胃もたれはなぜ起こる?原因と楽にする方法

妊娠・出産

「妊娠してから、食後に胸が焼けるような感じがする」
「少し食べただけなのに胃が重い……」

妊娠中は、胸やけや胃もたれを感じる方が少なくありません。

特に妊娠後期になると、お腹が大きくなることで胃が圧迫され、症状が気になることもあります。

今回は、妊娠中に胸やけや胃もたれが起こりやすい理由と、少しでも楽に過ごすための工夫について、助産師が解説します。

妊娠中に胸やけ・胃もたれが起こるのはなぜ?

妊娠中の胸やけや胃もたれには、主にホルモンの変化とお腹の大きさが関係しています。

① 妊娠によるホルモンの影響

妊娠すると、プロゲステロンなどのホルモンが増加します。

この影響によって、胃と食道の境目にある筋肉がゆるみやすくなり、胃の内容物や胃酸が食道へ逆流しやすくなるといわれています。

その結果、

  • 胸が焼けるように感じる
  • 酸っぱいものが上がってくる
  • 食後にムカムカする
  • 胃が重く感じる

といった症状が起こることがあります。

② 大きくなった子宮による圧迫

妊娠が進むにつれて子宮はどんどん大きくなります。

特に妊娠後期になると、子宮によって胃が上方向へ押されるため、胃に入る量が少なくなったり、胃酸が逆流しやすくなったりします。

そのため、以前と同じ量を食べていても「お腹いっぱい」「胃が苦しい」と感じることがあります。

胸やけ・胃もたれを楽にする5つの方法

つらい症状があるときは、食事の仕方や姿勢を少し工夫してみましょう。

① 一度にたくさん食べない

お腹いっぱいになるまで食べると、胃への負担が大きくなります。

一回の食事量を少し減らして、必要に応じて間食を取り入れるなど、少量ずつ分けて食べる方法もおすすめです。

「3食をしっかり食べなければ」と無理をする必要はありません。

自分が食べやすい量を見つけてみましょう。

② 食後すぐに横にならない

食後すぐに横になると、胃の内容物が食道へ逆流しやすくなります。

食後はできるだけすぐに横にならず、上半身を起こした状態で過ごしましょう。

特に寝る前の食事は、できるだけ時間を空けることを意識してみてください。

③ 脂っこいものや刺激の強いものを控えてみる

人によっては、

  • 揚げ物
  • 脂肪分の多い料理
  • 香辛料の多い料理
  • チョコレート
  • カフェインを含む飲み物

などで胸やけが悪化することがあります。

ただし、すべての人に当てはまるわけではありません。

「これを食べると症状が出やすい」というものがあれば、無理のない範囲で控えてみましょう。

④ 前かがみの姿勢を避ける

前かがみになると、お腹が圧迫されて胃酸が逆流しやすくなることがあります。

食後に床で作業をしたり、長時間前かがみになったりする場合は、できるだけ姿勢を意識してみましょう。

⑤ 寝るときは上半身を少し高くする

夜間に胸やけが気になる場合は、上半身を少し高くして寝ることで楽になる場合があります。

枕やクッションなどを使って、無理のない姿勢を作ってみましょう。

ただし、寝苦しさがある場合は無理に姿勢を固定する必要はありません。

「食べたいのに食べられない」ときはどうする?

妊娠後期になると、胃が圧迫されて一度にたくさん食べることが難しくなることがあります。

そんなときは、

「一度にたくさん食べる」より「少量を何回かに分ける」

ことを意識してみましょう。

例えば、

  • おにぎりを小さめにする
  • 果物やヨーグルトなどを間食にする
  • スープなど食べやすいものを取り入れる
  • 食事量を少し減らして回数を増やす

など、自分が食べやすい方法を試してみてください。

妊娠中は「バランスよく食べなければ」と頑張りすぎてしまうこともありますが、つらいときは無理をしないことも大切です。

胸やけがつらいとき、水分はどうする?

胸やけがあるからといって、水分を極端に減らす必要はありません。

妊娠中は脱水を避けることも大切です。

一度に大量に飲むと胃が苦しくなる場合は、少量ずつこまめに飲むようにするとよいでしょう。

冷たい水が飲みやすい人もいれば、常温の飲み物のほうが楽な人もいます。

自分が飲みやすい方法を探してみましょう。

こんな症状があるときは産婦人科へ相談を

妊娠中の胸やけや胃もたれは珍しくありませんが、症状が強い場合は我慢しすぎないようにしましょう。

特に、

  • 食事や水分がほとんど取れない
  • 繰り返し吐いてしまう
  • 体重が減ってきた
  • 強い腹痛がある
  • 胸の痛みが強い
  • 血を吐いた
  • 黒っぽい便が出る
  • 急に症状が強くなった

などの場合は、自己判断せず産婦人科へ相談しましょう。

また、「胸やけだと思っていたけれど、いつもと違う強い痛みがある」という場合も、妊娠中だからと我慢せず相談することが大切です。

妊娠中でも薬を使えることはある?

胸やけが続く場合、妊娠中でも使用できる薬が選択されることがあります。

ただし、妊娠中は自己判断で市販薬を使用せず、産婦人科や薬剤師に相談してから使用するようにしましょう。

「妊娠中だから薬は絶対に使えない」と我慢する必要はありません。

症状がつらい場合は、医療者に相談して自分に合った対処方法を見つけましょう。

まとめ

妊娠中の胸やけや胃もたれは、ホルモンの変化や大きくなった子宮による胃への圧迫などによって起こりやすくなります。

つらいときは、

  • 一度にたくさん食べない
  • 少量ずつ食べる
  • 食後すぐに横にならない
  • 胸やけを起こしやすい食品を控えてみる
  • 前かがみの姿勢を避ける
  • 夜間は上半身を少し高くする

などを試してみましょう。

妊娠中の体は、妊娠前とは同じようにはいかないものです。

「これくらい我慢しないと」と思わず、つらい症状が続くときは産婦人科に相談してくださいね。

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